プレイングマネージャーからの脱却とエリア・マーケティングでシェア大幅アップ

ここがポイント!

各拠点・営業チームのマネージャーの、プレイングマネージャースタイルの働き方脱却と、エリア・マーケティングによってシェアアップに成功した事例です。

取り組みの背景
「シェア奪還のための、各拠点ごとの入念なエリアマーケティングの必要性」

J社は建設業界向けの製品を提供するメーカーです。

J社の業界は競合大手数社が業界シェアの大半を占めており、業界順位は比較的固定化していました。また、上位企業が各地域ごとで長い時間をかけて地場のネットワークを築いている状況の中でいかにシェアを伸ばすかがJ社の目指す重要目標でした。

J社としては「勝機は細分化した各エリア単位の丹念な攻略にある」という判断でした。官公庁や大手資本グループによる地域開発によって再開発が行われると、各エリアの施設や建物の新陳代謝が起きます。業界の上位企業が手堅く守っていたとしても、変化が起きるタイミングで攻勢に出ることがビジネスチャンスを生みます。そのためには入念なエリア分析に基づいた営業リソースの投入と施主やゼネコンなどへの提案活動が求められました。

問題意識
「プレイ偏重でマネジメントができる状態にないプレイイングマネージャー達」

営業企画部門が中心となって、全国拠点のエリア・マーケティングを推進しようとしていました。

会社が出した「エリア単位の活動をしっかり進めなさい!」という号令は誰もが覚えていました。また、営業企画部も手をこまねいていたわけではなく、戦略記入フォーマットをつくって各拠点や各チームに配布して記入してもらい、提出させてフォロー・ミーティングを行って浸透化しようとしていました。しかし、現場の理解がそろっておらず、的外れな記述になって返ってくることも多く、施策がうまく進まなくて困っていました。

また、各拠点の営業現場は、以下のような状況になっていて戦略課題が進みませんでした。

営業パーソンたちは「受注した案件の納品に向けた調整」「業者との調整」「販売店からの依頼に対する業務処理」などの目先の業務の忙しさで追われていた。

営業マネージャーはプレイングマネージャーであり、プレイング偏重のスタイルから抜け切れておらず、チームマネジメントや部下のサポートが不足していました。

過去に事業再編をした経緯があり、営業マネージャーのマネジメントレベルや業務管理の仕方もバラバラでした。戦略課題に対する共通認識がされづらく施策がしませんでした。

実は何より営業マネージャー自身が困っていて、ホンネは次のようなものでした。「実は、ちゃんと営業マネジメントを教えてもらったことがない」「昇格時にマネジメントの話を聞いたが覚えていない。今さら聞けないし・・・」

実施内容
「プレイングマネージャー達の意識改革と、マネージャー層の連携強化。マネジメントが機能する環境をつくった上で、エリア攻略作戦を整理し、具体的な実践方法として組織力に定着」

・コンサルティングの最初の段階で、まず行ったのは営業本部長、営業企画部とのミーティングでした。

・J社がねらう戦略が理解されやすい論理として具体的に表現されることが大切です。また、表現された戦略が組織の行動になる必要があります。そのために、表現されたJ社の戦略と有効なフレームワークを融合させて、エリアマネジメント活動で使えるJ社独自のフレームワーク化を行いました。

・J社独自のフレームワークができあがったら、まずは各拠点長を集めて研修会を開催し、フレームワークの使い方を理解してもらう場をつくりました。また、研修会では理解するだけでなく、実際にエリア単位の作戦を立ててもらうワークショップや、役割をうまく遂行するために必要なマネジメントスキルのトレーニングも取り入れて、終了後すぐに実行できる状態をつくりました。

・その後、各拠点の2番手クラスを集め、拠点長と同様の研修会を実施。このねらいは各拠点の共通言語づくりでした。拠点長も2番手もプレイングマネージャーです。施策を機能させるためには、拠点でマネジメントする立場の人たちにうまく連携してもらう「マネジメント側のチームワーク」が欠かせません。

・最後に、マーケティング部門のメンバーにも同じプログラムを受講してもらいました。マーケティング施策と営業の動きが連動しておらず、タテ割りの動きになって効果があがっていないという課題もありましたので、共通認識をつくって部門間の壁を超えた相乗効果づくりをねらいました。

・その後、営業現場にはJ社独自のフレームワークに沿った形で修正した戦略記入フォーマットを使って、各拠点単位でエリア攻略作戦を立案してもらいました。また、本部で集約したデータをマーケティング部門にも共有し、組織的な販促策に役立ててもらうように促しました。

効果

市場特性に応じた具体的な戦略行動が腹落ちし、実践に移すことができるようになりました。

その結果、各拠点ごとでターゲット顧客に対する効果的な力のかけ方がされるようになり、翌年度は新規受注数が上がって、シェアアップに成功しました。

お客さまの声

【営業本部長】研修というと勉強する時間だと思っていたが、ぜんぜんイメージが変わった。今回のように「我が社が具体的にどうやればよいか」を教えてもらったことは無かった。非常に助かりました。

【拠点長Aさん】 マネージャーとして結果を出さなければならない責任感で苦しかったがスッキリしました。こういうことって、意外と誰もやり方を教えてくれないですから。これで走れます。

【拠点長Bさん】力のかけ方を間違えていたことが分かった。感覚だけで判断していると怖いですね。

【2番手Cさん】研修を受けてからメンバーへの声のかけ方を変えました。コミュニケーションが改善されて活性化して、問題を早く見つけて手が打てるようになりました。

【営業企画部】かゆいところに手が届くサービスですね。

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