戦略的な営業強化で利益率大幅UP

ここがポイント!

本取り組みを一言でいうと「利益率の高い商品を売る」。販売代理店を通してユーザー企業に重点商品をしっかり提案することに成功し、業績改善に成功しました。

取り組みの背景
「シェア奪還のための、各拠点ごとの入念なエリアマーケティングの必要性」

N社はエレクトロニクス業界の会社です。

取り組みが始まる前、N社の全体の販売数量はそれなりなのに、利益率が伸び切らなくて悩んでいました。利益率の高い重点商品の売上を伸ばしたかったのですが、重点商品の性格上、お客様に採用されるまでに時間がかかったことと、他の商材と売り方のスタイルも異なるので思うように販売数が伸びていませんでした。

販路は代理店を通して売る商流なので、N社としてはチャネルの管理の仕方も工夫したかったのですが、代理店ごとで事情が異なり、それぞれの要求やニーズに細かく対応しなければならないのて画一的な管理方法がしづらく、人間関係頼みの営業になっていました。

営業現場に目を向けると、ベテラン社員は長年の経験によって慣れた仕事の仕方を変えようとしませんでしたし、若手社員もうまくOJTされないので、なかなか育たない。営業全体として属人的な仕事の仕方になっていて、旧態依然とした営業スタイルからなかなか脱却できない・・・。そんな悩みを抱えていました。

問題意識
「過去に行ったインプット型の研修では効果薄。繰り返し実践して使えるものにし、仕事のやり方を実際に変えないといけない。」

営業改革の動きと連動した外部コンサルタント活用が求められ、次の4つをクリアしなければなりませんでした。

4つの課題

・今までエリア別だった営業組織を商品別の体制にする。しかし、これだとN社内は縦割りの動きになってしまうので、ユーザー企業ごとへの提案力を高めるために商材担当同士が連携する顧客別チームを動きをつくる

・過去に営業研修を実施しても研修効果が定着していませんでした。今回も一過性の取り組みでは効果が出ないと判断したので、必要なフレームワークや提案スキルを繰り返し、学習してもらいながら自分のノウハウにしてもらう

・マネージャー層への指導とサポートを行い、コンサルタントと一緒に取り組む中で管理スタイルやコミュニケーション方法を切り替える。

・数年前に属人的なワークスタイルを変えるためにデジタル化を行ったが、運用し切れなくて期待した効果が出ておらず、システム運用のために増えた月々のコストが問題視されていた。まずは仕事のプロセス管理が機能する力を組織全体に根付かせることが先決と判断された。

実施内容
「営業改革の動きと連動させたコンサルティングを展開。学び→現場に持ち帰る→振り返り→再び学び、を繰り返す。」

営業幹部、営業企画とコンサルタントで定例ミーティングを実施して、改革施策の実行状況に関するモニタリング、途中で発生する問題の共有や解決策の検討を行いました。

この中で出てきた論点は、マネージャーや営業に対する研修会の内容にも反映させて上層部と現場の連動によって組織全体の改革が進むようにサポートしました。

マネージャー層には、2か月に1回の研修会でコンサルタントから「営業改革に必要な考え方・仕事の進め方・人づくり」について学ぶと、まずは受講者同士で議論しました。

それを現場に持ち帰り、メンバーと一緒に考え、実践します。

次の研修会の最初にふりかえりを行って、現場での実践状況を確認して指摘し合う・・・ということを繰り返し行っていきました。

営業向けには、過去の取り組み【※コンサルタントは他社】の「学びが現場での実践に結びついていなかった」という反省点が出ていましたので、2か月に1回の研修会で「提案型営業の考え方・スキル」について、実習を中心にしっかり練習してもらい、事後課題で実践計画とコミュニケーション・プランを立てて、マネージャー層と相談しながら行動してもらうようにしました。

効果

実践を続ける中で、商談時のヒアリングの精度が上がって顧客情報の取れ方が変わりました

その理由は、顧客との接点を意図的に工夫するようになり、面談の質が変化したからです

「ちゃんと提案書を書いて出す」と代理店の動きがよくなり、その先のユーザー企業での検討のされ方も変わったので、取り組みの有効性が実感されました。

営業改革の各種施策とセットで進めたため、途中で今までと違う仕事のやり方に負担を感じる人も出ましたが、成功体験が増えて効果を感じはじめると積極的に取り組む人が増え、いつしか研修会で学んだ言葉や仕事の進め方が社内で使われるようになりました。

この結果、戦略商品の新規受注を増加させることに成功したのです。

お客さまの声

【営業担当役員】コンサルタントに入ってもらって施策の議論が出来たのがよかったです。どうしても内部だけで話すと短期の数字の話が優先になってしまいます。営業施策は短期だけでなく、中長期の視点も持ってバランスをとって進める必要がありますので有効でしたし、若いメンバー中心に次世代を支える人材が育ってきてくれているのが嬉しいです。

【マネージャー Aさん】研修会はふりかえってジックリ考え、構想を練る時間になりました。我々は普段、どうしても短期、短期で追われて頭がいっぱいになりやすいですから。それではダメだと頭では分かっているけれどなかなかできない。だからよかったです。

【マネージャー Bさん】職場でメンバーとコミュニケーションする量が増えました。関心を持って聞くようになりました。以前は結構、メンバーへの観察不足で見過ごしていたことがあったと反省しています(笑)。

【営業パーソン Cさん】代理店が自分たちで判断して動きやすいように、こちらで資料や情報を工夫してから渡すようになりました。代理店の動きが変わると、こちらは楽になってその分、新しいことに取り組めます。

【営業パーソン Dさん】提案書を出すことで検討のされ方が変わり、商談がぶれなくなりました。

【営業パーソン Eさん】教えてもらった技法を海外で使っても通用しました。何年も進展が無かった気難しい現地代理店のキーマンと良好な関係を築くことに成功しました。感謝です。

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