全社視点を持った改革を実現できる幹部とマネジャーの育成に成功

ここがポイント!

次世代の経営幹部候補が不足する中、経営ビジョンと中計のゴール達成に向けて、改革を実現できる幹部とマネジャーの育成に成功した事例です。

取り組みの背景
「業界の成長を見据えて、目先の数字だけでなく、全社視点の戦略的思考ができる人材が必要」

・高齢化社会が進行し高齢者がますます増加していく中、医療および介護関連にかかる費用はますます増加しており、医療業界は成長市場となっています。

・その中でX社は、ユニークなビジネスモデルで地位を築いていました。将来に対してもビジネストレンドを先取りした施策を打ち、他社に先駆けて優位性を確保できる方向性を打ち出していました。ところが、経営計画に対する結果は伸び悩み、思うように成果があがらない悩みを抱えていました。「業界の成長性から考えると、もっと業績が上がってよいはず・・・」

・本部長から部長クラスまで含めた幹部社員の多くは現場たたき上げのメンバーが多く、数字達成への責任感が高かったものの、戦略発想に弱い傾向でした。また、プレイヤー感覚が強く、経営管理者としての役割の取り方は不足部分が目立っていました。幹部社員として考える力を期待したいところですが、いたずらにプレッシャーをかけて解決する問題ではありませんでした。

・一方で、中途入社の幹部社員の中には新規事業のアイデアを持っている人材もいました。経営者としては、彼らのアイデアをうまく商材や事業などのカタチにして軌道に乗せてもらい、組織全体の改革を進める材料にできないかという期待もありました。

問題意識
「マネジメントに手が回らず、改革実行力が低い」

・組織全体の改革実行力を上げる。

短期志向になりがちなマネジメントスタイルのバランスを改善し、戦略的な問題解決力を高める。

経営管理者としての役割行動への理解を高め、マネジメントスキルをレベルアップする。

実施内容
「事業活動のスケジュールとリンクさせた実践形式のプログラム」

・役割に応じた階層別のシリーズ・プログラムを実施しました。プログラムを通じて実際に自組織の改革案を考え、行動に移して、効果検証する流れで展開しました。

・そのための基本構成は次の通り。まず、序盤を研修会として幹部社員のマネジメントに必要なノウハウをインプット。そして、中盤以降は改革案をプランニング。プランが出来たら実行に移し、実践フォロー形式のワークショップで追いかけました。

本部長以下、上級幹部社員には、事業単位のプランニング~実行まで計12日間。

部長クラスには、部門単位のプランニング~実行まで計16日間。

・各層ともに毎回、実践課題を出しました。現場で合同ミーティングを実施する機会などを設け、具体的な戦略検討や施策遂行にあたっての問題解決を進めました。

・また、途中で複数回、受講メンバーから経営陣に対する答申の機会を設け、プログラムを経営活動に接続させて、組織全体で改革を進める材料にしました。

・実施期間は約1年半。事業活動のスケジュールとリンクさせた実践型プログラムでした。

効果

・戦略や施策を考える力が高まり、ビジネスの成長機会を洞察して、経営目線を持ったマネジメントプランが描けるようになりました。

各本部から経営陣に対して「我々はこうしたい」という意見が上がるようになりました。中には軌道の乗りつつある新規事業も出てきています。

組織の情報共有力が上がり、問題発生を未然に防ぐ事ができる場面が増えました。以前はトラブルが起きてから処理する場面が多かったのですが、ずいぶん軽減されました。

・日々のマネジメントで対話型のコミュニケーションを行う場面が増えました。OJTや人材活用を工夫し、指示の出し方も具体的になって従業員エンゲージメントが向上しました

お客様の声

【経営者 A氏】 しっかりした戦略が描けるようになりました。着眼点や発想が良くなり、経営者としてやってみたいと思うアイデアがいろいろと出るようになりました。以前は、「経営が口やかましく言っても伝わらない」という感じでしたが、今は「一緒にやっていきたい」と思える幹部社員になってくれたと思います。

【役員 B氏】 切り口がおもろく、ぜひ進めてもらいたいと思えるプランが出るようになりました。リスク分析もしっかりできるようになったので安心も出てきました。ですので、もっとストレッチしもらっていいと思いますね(笑)

【本部長 C氏】 教えてもらったフレームワークを使って一度、部長たちと半日くらいまとまった時間をつくって、分析し直したことがありました。あれから考えが整理できるようになったんですよね。

【本部長 D氏】 以前は目の前のことに精いっぱいで戦略的な視点で考えられていなかったと思います。プログラムの中で参考になる情報やフィードバックが多く得られ、有意義でした。

【部長 E氏】 新しい商材の話があって、おもしろそうだったので取り組んでみました。進めてみるとウチの会社が持っている販路と相性が良いことが分かってきて、会社のバックアップをもらい、事業化に向けて前進させられました。今は、とにかく人が足りません。とても忙しいのですが、なんとかしなきゃいけません(笑)

【部長 F氏】 自分が取るべき役割がよく理解できました。これまでも正しい判断をするためにときどき時間を見つけて、数字で分析し、施策を考えるようにしてきました。でも、それをメンバーに分かりやすく伝えなければ理解されないと分かりました。理解できた方がメンバーは動きやすい、相談回数も増えて、よい結果につながると実感できました。

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