戦略的マネジメントが機能する組織づくり

事業は成長した。人も増えた。組織も拡大した。しかし、気がつけば各部門がバラバラに動いている。営業は営業の論理で、製造は製造の都合で、管理部門は管理部門のルールで。全体を見ている人間がいない。いや、経営者は見ているのだが、その視界が組織に共有されていない――。

急成長を遂げた企業が組織を拡大する過程で、ほぼ必然的に直面するのがこの問題です。部分最適の集合が、全体最適にならない。各部門が真面目に仕事をしているのに、組織としての力が発揮されない。経営者の頭の中にある戦略と、現場の動きが一致しない。

この状態を放置すると、成長の原動力だったスピードと一体感は失われ、組織は内側から停滞していきます。

なぜ、急成長した企業ほどこの問題に陥るのか

創業期や急成長期の企業には、ある種の一体感があります。人数が少なく、経営者の意志が全員に直接伝わる。情報は自然と共有され、全員が同じ方向を向いている。戦略を文書化しなくても、阿吽の呼吸で組織が動く。

この時期の成功体験が、組織を成長させます。しかし同時に、この成功体験が次の段階での落とし穴を生みます。

組織が大きくなると、「自然に伝わる」が機能しなくなる

人が増え、部門が分かれ、拠点が広がると、経営者の意志は自然には届かなくなります。創業期には不要だった「伝える仕組み」がないまま、組織だけが大きくなっていく。経営者は「言ったはずだ」と思っている。現場は「聞いていない」と感じている。この断絶が、組織のいたるところに生まれます。

部門ができた瞬間、部分最適が始まる

組織の成長に伴い、営業部、製造部、管理部、開発部と部門が分化していきます。各部門に責任者が置かれ、それぞれが自部門の目標を追い始める。これ自体は組織運営に不可欠なことです。

しかし、全社の戦略と各部門の目標がきちんとつながっていないとき、各部門は自部門の論理で最適な判断をします。営業は受注を最大化しようとし、製造はコストと納期を守ろうとし、管理部門はリスクを最小化しようとする。全員が自分の責任を果たそうとしている。しかし、組織全体としては噛み合わない。

部分最適の総和は、全体最適にはならない。これが、急成長企業が組織を拡大する際に必ず直面する構造的な問題です。

指揮官同士の連携が設計されていない

各部門の責任者は、いわば組織の指揮官です。しかし、指揮官同士が同じ情報を共有し、同じ戦略に基づいて判断し、連携して動く仕組みが設計されていないケースが多くみられます。各指揮官が自部門の中では的確に指揮をとっていても、指揮官同士の連携がなければ、組織全体の動きは統一されません。

経営者が全体を見ていても、その視界が指揮官たちに伝わっていなければ、経営者は孤独な指揮者になります。一人で全体を動かそうとして疲弊するか、諦めて各部門に任せた結果、バラバラの動きが常態化するか。どちらに転んでも、組織の力は削がれていきます。

まず何が大事なのか ― 理念の共有から始める

この問題を解くための出発点は、実はシンプルです。

同じ理念を共有し、同じ情報を見て、同じ方向を向き、同じ戦略に基づいて行動する。

当たり前のことのように聞こえます。しかし、急成長で組織が拡大した企業の多くで、この「当たり前」が失われています。創業期には自然にできていたことが、組織の成長とともに意図的に設計しなければ維持できなくなっているのです。

理念を共有するとは、額縁に飾ったスローガンを暗唱させることではありません。経営者が何を目指し、なぜこの事業をやっているのか。その想いが、各部門の指揮官に、そしてその先の現場の一人ひとりに、自分の言葉で語れるレベルで届いていること。そこが起点になります。

理念が共有されれば、戦略の理解が深まる。戦略が理解されれば、各部門の目標が全社の方向と一致する。目標が一致すれば、部門間の判断基準が揃い、連携が自然に生まれる。この連鎖をつくることが、戦略的マネジメントが機能する組織の土台になります。

AWコンサルティングの向き合い方

AWコンサルティングは、この課題に対して、組織の「全体の流れ」を設計する立場で関わります。個別のスキル研修や単発のチームビルディングではなく、理念から戦略、戦略から行動、行動から成果へとつながる一連のメカニズムを、クライアントの組織の中に構築していく取り組みです。

経営者の想いを言語化し、組織に届ける

急成長企業の経営者は、頭の中に明確なビジョンを持っています。しかし、それが言語化されていない、あるいは言語化されていても組織に届く形になっていないことが多い。

AWコンサルティングは、経営者の想いを対話の中で引き出し、組織全体が共有できる形に翻訳します。理念やビジョンを、具体的な戦略の方向性、各部門の役割、日々の判断基準にまで落とし込んでいく。経営者の頭の中にあるものを、組織の共通言語に変えていく作業です。

指揮官層の目線を揃える

各部門の責任者が、同じ情報を共有し、同じ方向を向いて判断できる状態をつくります。これは単に「会議を増やす」ということではありません。

指揮官たちが全社の戦略を自分の言葉で理解し、自部門の目標をその戦略の中に位置づけ、他部門との関係性を把握している。部分最適ではなく全体最適で判断するための「同じ景色」を、指揮官層の中に共有する。AWコンサルティングは、この目線合わせのプロセスを設計し、指揮官同士が連携して組織を動かせる状態をつくります。

戦略を現場の行動に翻訳する仕組みをつくる

理念と戦略が共有されても、それが現場の行動に変わらなければ意味がありません。組織目標→部門目標→チーム目標→個人の行動という翻訳のプロセスを、仕組みとして組織に組み込みます。

目標を設定して終わりではなく、目標達成に向けた行動のPDCAが日常のマネジメントの中で回り続ける構造をつくります。計画を立て、実行し、観察し、軌道修正する。このサイクルが各層のマネージャーによって自律的に回る状態を目指します。

成功体験を組織の力に変える

戦略的マネジメントが組織に根づくためには、「このやり方でうまくいった」という成功体験の蓄積が欠かせません。

全員が同じ方向を向いて動いた結果、成果が出た。部門を越えて連携したことで、一つの部門だけでは出せなかった成果が生まれた。こうした体験が、「次もこのやり方で行こう」という組織の文化に変わっていく。AWコンサルティングは、この成功体験が生まれる場を設計し、体験が文化として定着するまでのプロセスに関わり続けます。


この取り組みを通じて起きる変化

変化の一例
  • 経営者の意志が組織に届くようになる
    経営者の頭の中にあった戦略が言語化され、各部門の指揮官を通じて現場まで一本の線でつながる。経営層「言ったことが実行される組織」が実現する。
  • 部分最適から全体最適に変わる
    各部門が自部門の論理だけで動く状態から、全社の戦略の中で自部門の役割を理解し、組織全体の成果に向けて判断・行動する状態に変わる。
  • 指揮官同士の連携が機能し始める
    各部門の責任者が同じ情報を共有し、同じ方向を向いて動けるようになる。部門間の対立が、組織全体の最善解を探る対話に変わる。
  • 現場が自律的に判断できるようになる
    理念と戦略が組織に浸透することで、経営者が逐一指示しなくても、現場が理念に基づいた判断を行えるようになる。組織全体が高い水準の自律性を持って動き続ける状態が生まれる。
  • 成長の次のステージに進む準備が整う
    急成長期のひずみが解消され、組織としての基盤が整う。経営者は細部の管理から解放され、次の成長戦略を考える余裕が生まれる。組織が拡大しても崩れない、持続可能な経営の仕組みが構築される。

AWコンサルティングの関わり方の特徴

AWコンサルティングの関わり方
  • 理念から行動まで一貫して設計する
    理念の策定だけ、戦略の策定だけ、研修だけ、という断片的な関わり方はしません。理念→戦略→目標→行動→成果→文化という一連の流れを、一貫した設計のもとに構築します。
  • 経営者の思考の壁打ち相手として機能する
    戦略的マネジメントの構築は、経営者自身の思考の整理から始まることもあります。自分の中にあるビジョンをどう言語化するか、戦略をどう具体化するか。AWコンサルティングは、経営者の想いを引き出し、組織に届く言葉に翻訳する対話の相手となります。
  • 仕組みを入れるだけで終わらない
    制度や仕組みを設計して納品する、というスタイルではありません。仕組みが実際に動き出し、マネージャーが使いこなし、成果が出始めるまでを射程に入れています。戦略の完遂が我々の使命です。
  • 急成長企業の「成長痛」を理解している
    成長の過程で生まれる組織のひずみは、誰かのミスや怠慢ではなく、成長そのものが生む構造的な問題です。AWコンサルティングは、この問題を、成長の次のステージに進むために必要な組織の進化として捉え、ともに解決に向けて取り組みます。

戦略的マネジメントの構築についてご相談ください

「部門がバラバラに動いている」「戦略を立てても実行されない」「経営者の想いが組織に届いていない」「急成長の勢いが鈍り始めた」。どの段階のご相談でも構いません。

急成長した企業が次のステージに進むためには、組織のあり方そのものを見直すタイミングが必ず来ます。それは後退ではなく、より強い組織をつくるための進化です。まずは現状をお聞かせください。

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