部下が動かない。他部門が協力してくれない。上と下に挟まれて孤立する。社外パートナーとの協業がうまく進まない。案件がスムーズに回らない――。
マネージャーやリーダーとして成果を出すには、自分一人の力だけでは足りません。立場も利害も優先順位も異なる関係者の力を結集し、組織としての成果を達成していく力が必要です。AWコンサルティングは、この力を「巻き込み力」と呼んでいます。
巻き込み力とは何か
巻き込み力とは、人を動かすためのテクニックではありません。全員と仲良くするための力でもありません。
関係者を巻き込み、担当する仕事の目的と成果を達成するためのマネジメントの力です。
ときに利害が対立する相手とも、成果のために力を合わせる。前に出て旗を振ることもあれば、黒子に徹して相手の力を引き出すこともある。相手の立場や考えを理解したうえで、関係性そのものを設計し、組織を動かしていく。それが巻き込み力のマネジメントです。
巻き込み力は特殊な才能ではありません。仕事の進め方を丁寧に整えていくことで、誰もが磨ける実践的な力です。
なぜ、コミュニケーション研修では解決しないのか
「部下が動かない」「他部門と連携できない」という課題に対して、多くの企業がまず試みるのはコミュニケーション研修の導入です。伝え方、傾聴、フィードバック。確かにこれらは重要なスキルです。
しかし、コミュニケーションスキルを磨いても、現場が動かないことは珍しくありません。それはなぜでしょうか。
問題はコミュニケーションの「方法」ではない
巻き込みがうまくいかないマネージャーの多くは、話し方が下手なわけではありません。仕事の進め方の中に、無自覚に相手を遠ざけるパターンが組み込まれているのです。
例えば、自分が設定した結論に向けて相手をコントロールしようとする。相手の事情を聞いているようで、最終的には「でもやってほしい」に帰着する。相手の感情に配慮しないまま、論理だけで押し通す。このような、小さなパターンの積み重ねが、関係者の中に静かな反発心を育て、協力を引き出せない状態を固定化していきます。
巻き込み力を高めるには、コミュニケーションの方法を変えるだけでは不十分です。仕事の進め方そのものを見直し、関係者との関わり方を根本から整え直す必要があります。
自分のバイアスに気づかなければ、何も変わらない
巻き込みがうまくいかない最大の原因は、多くの場合、本人が自分の問題に気づいていないことです。自分のやり方が正しいと信じている。相手に問題があると思っている。自分の認知のバイアスが、関係性の構築を阻んでいることに気づかない。
この「気づき」は、本を読んだり研修を受けたりするだけでは生まれにくい。実際の業務の中で、自分の行動が相手にどう影響しているかを振り返り、対話を重ねる中で、はじめて見えてくるものです。
巻き込み力が求められる3つの方向
マネージャーやリーダーが成果を出すために巻き込むべき関係者は、一方向ではありません。組織の中の関係性を立体的にとらえる必要があります。
上司や部下との関係 ― タテの巻き込み
部下が思うように動かない。上司の意図が汲み取れない。上と下に挟まれて身動きが取れない。タテの関係は、マネージャーにとって最も身近で、最も難しい巻き込みの領域です。
部下に対しては、指示命令ではなく、相手の主体性を引き出しながら動かしていく力が問われます。上司に対しては、報告を上げるだけでなく、提案や相談を通じて経営の意思決定に関与していく力が求められます。
他部門との連携 ― ヨコの巻き込み
価値観や優先順位の異なる部署と、どう連携するか。自部門の中では優秀なリーダーが、部門を越えた途端に影響力を失うケースは非常に多い。営業と技術、本社と現場、企画と実行。それぞれの部門が自分の論理で動いている中で、全体としての成果のために力を合わせることは、簡単ではありません。
ヨコの巻き込みに必要なのは、相手の部門の論理と事情を深く理解し、「共通の目的」を見出すことです。自部門の都合を押し付けるのではなく、一緒に結論を探す姿勢が信頼を生みます。
社外パートナーとの協業 ― ソトの巻き込み
顧客、取引先、パートナー企業、協力会社。社外の関係者との協業を成果に結びつけるには、社内以上に丁寧な関係性の構築が必要です。利害関係が明確で、力関係も異なる。社内の論理が通用しない場面で、いかに相手の力を引き出し、共に成果をつくるか。
ソトの巻き込みは、社内のマネジメントとは異なるセンスが求められます。しかし根本にあるのは同じです。相手の立場を理解し、信頼を築き、共通の目的に向かって力を合わせること。
AWコンサルティングの向き合い方
AWコンサルティングは、巻き込み力の強化を研修室の中で完結させません。実際の業務の中で、マネージャーやリーダーが巻き込み力を発揮できるようになるまで、現場に深く入って取り組みます。
自分の「仕事の進め方」を棚卸しする
最初に取り組むのは、対象者自身が自分の仕事の進め方を振り返ることです。自分がどのように関係者と関わっているか。どこで壁にぶつかっているか。自分の認知のバイアスが、どこで関係性の構築を阻んでいるか。
AWコンサルティングは、この振り返りのプロセスに立ち会います。一人ひとりと対話を重ねながら、本人が自分の課題に気づき、変化の方向を自ら見定めていくプロセスを支えます。
実際の業務の中で「巻き込み」を実践する
気づきを得た後は、実際の業務の中で巻き込みの実践に入ります。他部門のキーマンとの対話、利害が対立する場面での合意形成、部下の主体性を引き出す関わり方、上司への効果的な提案。
こうした一つひとつの場面で、対象者が自ら関係性を動かしていく経験を積みます。AWコンサルティングは、この実践のプロセスに伴走し、壁にぶつかったときの立て直しを支え、成功したときにはその要因を一緒に言語化していきます。
「論理」と「感情」の両面から変化を起こす
巻き込みがうまくいかない場面の多くで、見落とされているのは相手の「感情」です。論理的に正しいことを伝えても、相手の感情が動かなければ人は動きません。逆に、感情に寄り添うだけでは、成果にはつながりません。
AWコンサルティングは、論理と感情の両面に同時に働きかけるアプローチを取ります。正しいやり方を理論的に示すだけでなく、それを実践して手応えを得る体験をセットで設計する。この正の連鎖が、行動の定着を支えます。
個人の変化を、組織の力に変える
一人のマネージャーが巻き込み力を身につけると、その人の周囲の関係性が変わります。部下の動きが変わり、他部門との連携が動き始め、チーム全体の成果の出し方が変わる。
AWコンサルティングは、この波及効果を意図的に設計します。対象者が一人で変わるのではなく、マネジメント層全体が巻き込み力を共通言語として共有し、組織全体の力学が変わっていく状態を目指します。
この取り組みを通じて起きる変化
- マネージャーの「人の動かし方」が変わる
指示命令やコントロールで動かそうとしていたマネージャーが、相手の力を引き出す関わり方に転換する。結果として、周囲が自発的に動く場面が増える。 - 部門間の壁が動き始める
「あの部門は協力してくれない」と諦めていた関係が、「一緒に解決策を考えよう」に変わる。部門を越えた連携が例外的な努力ではなく、日常の仕事の進め方になっていく。 - 組織としての成果の出し方が変わる
個人の力に依存した成果ではなく、関係者の力を結集して組織として成果を出す動き方が定着する。一人のマネージャーの限界を超えた、組織全体の実行力が生まれる。 - マネージャー自身が楽になる
「全部自分でやらなければ」という重圧から解放される。関係者を巻き込むことで仕事が回り始め、自分は本来やるべきことに集中できるようになる。孤立していた立場が、信頼でつながった関係性の中に位置づけ直される。 - 次の世代のリーダーに巻き込み力が伝播する
巻き込み力を身につけたマネージャーの姿を見て、部下や後輩が「ああいうリーダーになりたい」と感じるようになる。巻き込み力が個人のスキルではなく、組織のマネジメント文化として根づいていく。
AWコンサルティングの関わり方の特徴
- 書籍に裏打ちされた体系的な知見
AWコンサルティングの巻き込み力に関する知見は、代表・渡邉篤史の書籍『巻き込み力のマネジメント 21の事例で学ぶ、人の力を引き出す実践知』(ダイヤモンド・ビジネス企画)に体系化されています。上司・部下の関係、他部門との連携、社外パートナーとの協業という三方向の巻き込みを、貴社の現場に合わせた実践形式で設計します。 - 成果を出すことが目的であると明確に据える
巻き込み力の目的は、良い関係をつくることではありません。組織としての成果を達成することです。AWコンサルティングは、この点を曖昧にしません。関係性を整えるのは手段であり、最終的に事業の成果として結実することを前提にプログラムを設計します。 - 研修で終わらせない、現場での実践に伴走する
巻き込み力は、研修室で「分かった」だけでは身につきません。実際の業務で実践し、壁にぶつかり、試行錯誤し、手応えを得る中で体得していく力です。AWコンサルティングは、この実践のプロセスに入り込み、変化が定着するまで現場に関わります。 - 一人ひとりの状況に合わせたカスタマイズ
マネージャーやリーダーが直面している状況は、一人ひとり異なります。AWコンサルティングは、対象者の個別の課題や悩みに丁寧に向き合い、その人に合った巻き込み方を一緒に探ります。全員に同じ型を当てはめるのではなく、個人面談やフォローアップを通じて、一人ひとりの成長に伴走します。
巻き込み力の強化についてご相談ください
「マネージャーが周囲を動かせない」「部門間の連携がうまくいかない」「管理職研修をやったが行動が変わらない」。こうした課題は、コミュニケーションの改善や知識の習得だけでは解決しません。仕事の進め方と関係性の問題であることが多いものです。
AWコンサルティングは、巻き込み力を現場で機能させるための実践に、クライアントとともに取り組んでいます。まずは貴社のマネジメント層の状況をお聞かせください。
